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仙人掌の人の時間が空けば書き込まれる偽島ブログです
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亀闇鋼 12日目
青黒い空間。
しかし視界は良好。何一つ問題は無い。

対峙するは1人の男性と1匹の神獣。
亀闇鋼と、そして玄武である。

≪何の用だ、我が贄よ?≫
「大したことじゃねぇよ」

亀闇鋼の右手には愛用している槌が握られている。
その槌を片手でグルリと一回転させ、肩に担いだ。

直接対峙するのは身体を取られた、あの時以来だ。
身体は威圧感に圧倒されて震え上がり、心は向き合った瞬間に折れていた。
だが、今は違う。
身体に震えは無い。心に傷は無い。

「ただな、『何時か』とか『そのうち』つーのは俺らしくねぇ。そう思っただけだ」
≪自惚れるな。貴様など、我にとっては雑魚も当然だ≫

玄武が威圧的で高圧的に言葉を紡ぐ。
それでも亀闇鋼は笑みを崩さない。視線を逸らさない。
玄武が目を細める。

≪我を従えるつもりか。高が四世紀ほど生きただけの若造が≫
「あんたに怯えるのも、あんたに屈するのも、もう止めにするって決めたんだよ」

亀闇鋼が担いだ槌を重みに任せて地に下ろす。
軽い振動。そして空いていた左手も柄を掴んだ。

≪舐めた口を利くのはそこまでにしてもらおうか≫
「物分りの悪い奴は嫌われるぜ?」

顔を上げる。その眼に迷いは無い。

「さぁ!もらうぜ、玄武!!あんたの力!!」

一喝と共に槌を持ち上げ、亀闇鋼が構える。
玄武が不快そうに鼻を鳴らした。
しかし身体は亀闇鋼を真正面に捉えた位置に整える。

≪身の程知らずが……良かろう。だが貴様が負けたときはその身体、すべて頂くぞ≫
「負けねぇよ!勝負に勝つのは大声張り上げ、気合を入れ続けた奴って決まってんだからな!!」

亀闇鋼が吼える。
変えることは出来ないであろう、敗北の未来。
それすらも吹き飛ばそうとするかのように。
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