こうして『擬人化戦隊カイセンジャー』は結成された。
若干一名擬人化じゃないが、そこは気にしねぇでおくぜ。

そんな俺たちは、怪人緑タイツが子供を襲っているのを目撃した。
この場でやることは一つだ、当然助けるに決まってるぜ！

「しゃありぃやああああ！行くぜ、ブルー、ピン……ピンクいねぇ！？」

緊急事態が発生しやがった。
無事合流できていたかと思ったら、カイセンジャーピンクことクロエが逸れていた。
何でもまだ遺跡外にいるらしい。

これは参った、男としちゃあ、か弱き子供を助けるのは当然だ。
しかし今緑タイツに襲われているのも逸れてしまったピンクも子供だ。
ちくしょう、どっちを……どっちを優先する？

「ええい、時間がねぇ！こういうときは男の運試しでおなじみの……コインだ！！」

説明しよう！男の運試しでおなじみのコインとは！？
時間が無えから以下略。
何かテレビでやってたんだがよ、カッコよくね？

「コォォォオオィィイン、トォォオオオオオッッス！！」

宙を舞い、そして俺の右手甲に納まったコインは果たして！表か！？裏か！？
……あれ、表ならどっちを助けるんだっけ？
つーか決めてないで投げなかったか、俺？

……………………。

「先に行く……ペ～ン♪」

「ハァハァ……やっと着いたぜ」

親父が斥候で潜入してた通称偽島、ファ……レス、イズランド？
舟に乗り遅れてせいで自力で泳いで渡ることになっちまったが、そんなことは小さなことだ。

親父から聞いた話じゃ、この島には他の場所では見ることもできねぇ化け物がウジャウジャいる上に、島の探索者の連中も親父を任すぐらいの強者ぞろいっつー話だ。
おまけにあからさまに怪しい招待状からは悪党の匂いがビンビンしてきやがる。
これで燃えねぇってーんなら男じゃねぇってもんだろ。

親父が帰ってきたときに随分の不満そうな顔をしてたが、それも分かるってもんだ。
騎士団ってーのも不便なもんだよなぁ。

「しっかし五十九番ねぇ」

自力で泳いできたもんだから、もっと遅い番号にされるもんだと思ったら意外と早え番号を貰っちまったもんだ。
それともあれか？適当な番号を渡してるだけか？
ならもうちっとキリがいい番号の方が嬉しかったんだがな。

「さぁーって、んじゃま、探索開始と行きますかね」

さて探索するに置いてだが、そうだな、どうせなら仲間が欲しいな。
この探索における信頼できる仲間って奴が。
一人はやっぱクールな二枚目で俺のライバルだろ、でもう一人は大食らいでのんびり屋の力自慢ってところか。
ホントなら五人欲しいところだが、そりゃあ贅沢ってもんだろうしな。

で、どうやって探すかだが……適当に探索してりゃ見つかるだろうよ。

「よぉーし、計画も立てたことだし、いざ出発だ！！」